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悪質な滞納に法的手続き 172件の原告訴訟を提起

2026/09/02

 国税庁では、通常の滞納整理の手法では、処理進展が図られない事案に対し、詐害行為取消訴訟等を提起するなど、法的手段を活用した滞納整理にも取り組んでいる。

 国税庁が公表した令和7年度租税滞納状況の概要によると、悪質・処理困難事案への取組みとして、令和7年度には172件の原告訴訟を提起した。

 例えば、滞納法人が代表者に対してした弁済が、債権者を害する行為に該当するとして、詐害行為取消訴訟を提起した事例。

①滞納法人の代表者であるAは、滞納法人に対して貸付金債権を有していた。
②滞納法人の本店所在地が収用の対象となったことから、立退きなどによる収用補償金が建設事務所(B地方公共団体)から支払われることになり、その収用補償金は滞納法人の預金口座に振り込まれた。
③その後、Aは、貸付金債権の⼀部の弁済として、滞納法人からその収用補償金の大半の振込みを受けた。
④国は、当該弁済は、Aと滞納法人が通謀して他の債権者を害する意図をもってされたものであり、債権者を害する行為に該当するとして、詐害行為取消訴訟を提起した。その後、滞納法人から、滞納国税の全額の納付があった。

 また、国税庁では、財産の隠蔽等により国税の徴収を免れようとする悪質な事案については、滞納処分免脱罪の告発を行っており、令和7年度には9件(14人(社))の事案を告発した。

 例えば、滞納処分の執行を免れるため、預金口座から現金を出金して代表者の住居内に保管するなどして財産を隠蔽した行為について、国税徴収法違反(滞納処分免脱罪)により告発した事例。

①滞納法人の代表者Aは、課税調査終了後、納付する意思はないとして、納税しないでいたところ、関与税理士から国税当局によって財産が差し押さえられる可能性がある旨説明を受けた。
②Aは、①の説明を受けた後、滞納法人の預金口座から現金を出金し、Aの住居内に当該現金を保管した。
③また、Aは、同人が実質経営者である新法人を設立した後、滞納法人に支払われる解体工事代金を新法人に支払うよう取引先に依頼し、当該代金を回収した。
④国税当局は、上記②および③の行為は滞納法人に対する滞納処分の執行を免れる目的でされた財産の隠蔽に該当すると判断し、 代表者を国税徴収法違反(滞納処分免脱罪)で告発した。

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